三重県津市の津まつり

戦後の津まつり

三重県にも過去にはお祭りどころではない時代もありました。

いくら三重県津市の人達がお祭り大好きといっても、戦時中は津まつりを例年通り 開催することはできなかったようです。 国中が大騒ぎでしたしお祭りをする余裕なんてどこにもなく、そんな非常時に 無理矢理開催しても誰も楽しめないので当然でしょう。 この地域も戦争の被害は受けていましたし、行列に使われていた山車なんかも ほとんどが失われてしまったそうです。 なので終戦して再び津まつりが開催できるようになっても、しばらくはどことなく 足りないものがあるようなぎこちなさが残されてしまったようです。 昭和43年からは10月9日から11日までの期間に開催され、市民総踊りと 大名行列がメニューに追加されます。 この頃から昔の面影が少しずつ減って新しい時代の津まつりっぽく変化をするの ですが、そのことは当時の人達は誰もまだ知らなかったでしょう。 祭りの期間もちょくちょく変わっていますし、内容も現代風にアレンジされている 部分もあり江戸時代の頃とはかなり違う雰囲気かもしれません。 平成の2年からは10月9日から11日までの間、御神体は従前の御旅所に設け られることになりましたし、翌年には最新型の山車、安濃津丸がお目見えする 大事件も発生します。 この安濃津丸はふるさと創生事業で作られた和船山車で、津まつりの目玉となる ことが期待されて投入された山車です。 いくらの予算で建造されたのかは調べてないので知りませんが、決して安くは ないものでしょうし今後何十年もの長期間、津まつりの主役となるさだめのこの 山車は相当な気合を込めて作られたんだと思います。 平成11年は津まつりも10月9日と10日の二日間になりますが、翌年からは カレンダーの祝日の都合で、体育の日の前の日とその前の日に変更されます。 10月の祝日体育の日ですが、それまでは10月10日に固定されていたのが 国民の祝日に関する法律の改正により、10月の第2月曜日になったことが大きな 理由であることは明らかでしょう。 体育の日の前日と前々日は今後毎年土曜日と日曜日になりますので、3連休の 前半に津まつりがくるように仕組みやすいのです。 毎年何月何日にお祭りやりますよ、だと何曜日になるのかわからないため、祝日 以外は平日になってしまうことも多かったのですが、この設定により確実に週末 に開催されるようになったのです。 江戸時代なら何曜日でも構わないと考える町民だらけだったかもしれませんが、 現代の津市にお住まいの方々は平日は予定が入っているという人も少なくはない はずですし、できることならお休みの日にやって欲しいと願っていたでしょう。 そうした市民の声も取り入れて、体育の日を基準にして100%土曜日と日曜日 に津まつりが行えるように日程を変更してくれたのです。 ナイスなアイデアですのでその後10年以上そのままの日程で毎年開催されて いますが、きっとこの先も100年以上このまま続くのではないかと予想されます。 体育の日が移動されない限り、少なくとも平成の年号の間は、体育の日の前々日 から津まつりは開始されることになるでしょう。 この祝日がなくなったり10月の第2月曜日から他の日に変更される可能性はあり ますし、永遠にこのままだと言い切ることはできませんが、お祭りの様子も時代 と共に変化してきたことですし、今後日程の変更があったとしても三重県民の みんなは必ず受け入れてくれるでしょう。 昔から続いている歴史のあるお祭りですが、時代に合わせて柔軟に変化することも 地元の人達が楽しむのにはとても重要なのです。 そして今のところ、概ね上手くいっています。